1994, ゼラチンシルバープリント, バライタ紙, 115 x 115cm (and 60 x 50cm) 全34点
モンマルトルのアパルトマンの窓辺で、鳥の群れが驚いて四方に羽ばたく瞬間を捉えた作品。折り重なる鳩の羽を画面いっぱいに写し取り、不規則に大きく羽ばたく比翼のムーブメントと 大気の動きを一瞬に封じ込めた。暴力的な動きがまず目を引く が、背後に写るどんよりとしたパリの空が、直後に拡散し消え去っていく鳥の軌跡を喚起する。これも「液体とコップ」と同じく実体としての鳥ではなく、その動きのみを写そうとした作品。1995年に東京の3つのギャラリーで発表された「Down 3部作」のひとつ。