Twin Birds
2021, ゼラチンシルバープリント, バライタ紙.
二つの関係。過程とは何?
私はそれを作っているの?それともそれを写真に撮っているの?
私は常に道の途中にいる。
まず同じ大きさの棒切れが2本用意された。双子のように。
私はこの棒切れのひとつを赤、もう一つを青と名づけ、赤は立たせて、青は横にして、それぞれ別々に写真に撮った。これがこの双子の第1枚目の誕生の写真でこれが出発点となる。
その後、それぞれに2本目の棒切れが追加されると様相(形態)は少し変化する。ここでまた写真を撮る。そして3本目の棒切れをそれぞれに追加し撮影、、、このような繰り返しをふたつ交互に同時進行で続けて行く。
ただの1本から始まった棒切れは、次々と足されていき複雑になり、二つの異なるキャラクターを持った物体となって変容(進化)して行く。ここでは2つの同時進行というルールが2つの物体の変遷に大きく関与する。
ここに彫刻や建築のような構想や設計図はなく完成もない。つまりどこへ向かうかわからない、偶然が偶然を繋ぎながら進行し終わりはない。
私たちはそこに何の想像を重ねるのだろうか?
文字?人間?動物?建築?
表意文字である漢字文化圏に育った私の場合、単純な棒切れはごく自然に文字に化けてしまうかもしれない。
一本の棒は立っているとアラビア数字の1、寝ているならば漢数字の一、その他、人、大、上、中、山、木、本、体などの漢字のように見える物体がある。
このシリーズには見せ方についても最終形態がない。つまり個々の写真群はだだのデータベースであり、これをどのように見せるか。それも変容をつづけていくのだ。
オノデラユキ