古着のポートレート
1994, ゼラチンシルバープリント, バライタ紙, 115 x 115cm (and 60 x 50cm) 全52点
モンマルトルのアパルトマンから見える空を背景に、約50点の古着を撮影した初期の代表作品。古着は、クリスチャン・ボルタンスキーが1993年にパリで開催した個展「Dispersion (離散)」で展示されたもので、来館者は山積みされた古着を10フラン払って袋一杯持ち帰ることができた。オノデラは、ボルタンスキーが大量死の象徴とした古着を、一点ずつ窓辺に立たせることで、個としての存在に引き戻し、身体なきポートレートとしてまるで空に飛び立つように軽やかに提示した。1995年に東京の3つのギャラリーで発表された「Down 3部作」のひとつ。