窓の外を見よ
2000, ゼラチンシルバープリント, バライタ紙, 全23点
暗黒の空間にぽつりと佇む小さな家。周囲の深い闇と窓からもれる明かりで、宙に浮かぶ光源のようにも、あるいはオモ チャの家のようにも見える。東京の郊外で撮影されたこれらの家々は、ヨーロピアンスタイルや、北欧スタイルなど時々の流行を反映しており、一世代で建て替えられてしまいそうな、オノデラの言う「命の短そうな家」として被写体に選ばれた。また、暗室での巧みなマスクワークによって生まれた闇に浮かぶ光の箱は、「カメラ・オブスクラ (ラテン語で暗い部屋)」の反転であり、「カメラ」とは本来「部屋」の意味であることを喚起する。