真珠のつくり方
2000-01, ゼラチンシルバープリント, バライタ紙, 210 x 150cm (and 60 x 50cm) 全52点
カメラにビー玉を仕込み、日中の街頭で群衆を撮った作品。カメラの中でガラス玉が光を乱し、写真に影をつくり出すので、まるで暗闇に集う人々を白い球体が覆うような画面が生まれた。現実の風景を幻影と変貌させるガラス玉の効果によって、被写体と撮影者の間にあるカメラという暗箱の存在を意識させる。タイトルは、貝に異物を入れて真珠をつくる行為になぞらえている。また、現像時に薬品処理で写真の粒子を極限まで粗くすることによって、縦2メートルもの大型画面は、荒々しく変形した粒子がマチエールとなって、群衆の姿を暗闇から力強く浮かび上がらせる。