東京都写真美術館
個展, 2010/7/27-9/26
「写真」の迷宮へ
オノデラの作品は、「写真」という一般的概念に収まりきれないところに、その魅力と特質があります。それは写真表現の可能性に果敢に挑戦してゆくオノデラの尽きない探求心に支えられています。ある時はカメラに細工を施し、ある時はコラージュによって、ある時は思わぬアングルから被写体をとらえ、コンピューターを使用したり手彩色を施したりと、シャッターを押すまでに行われる作り込みは、まさに造形作家の作業です。それらを一度カメラという機械を通して1枚の画面に封じ込め、最終的に自らの手で現像し写真作品として完成させるのです。
オノデラの作品は、日常の風景を捉えながらも、私たちの固定観念を覆すような視覚世界を体験させてくれます。そして、独自のユーモアと都会的なセンスで巧みに観る者を惹きつけながら、私たちを写真の迷宮へ誘うでしょう。
本展ではオノデラユキの初期代表作に東京都写真美術館新収蔵作品「Transvest」「12 speed」「Roma-Roma」を加えた9シリーズ約60点で展観いたします。
「オノデラユキ 写真の迷宮へ ─創造する写真20年の軌跡─」岡部友子/展覧会カタログ/2010年7月/東京都写真美術館/淡交社
古着のポートレート, オルフェウスの下方へ, 12 Speed, 12 Speed (モノクローム), 真珠のつくり方, Roma – Roma, Transvest, Annular Eclipse, 窓の外を見よ, 11番目の指